投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
親譲りの無鉄砲 千秋
お題の上の句と並べます。
吾輩は猫である
親譲りの無鉄砲
毎月、上の句をお題ゲストさんからいただいていましたが、今月は趣向を変えて、本のタイトルから出題しました。これは、公式サイトが起ち上がった際の一番最初のお題(2023年9月)である『汝、星のごとく』作:凪良ゆう(講談社)以来となります。この時は、作中にあるフレーズをお題(上の句)としてお借りしました。
【本のタイトル】というのは、世の中に数あるフレーズの中でも、広告のキャッチコピー同様、”研ぎ澄まされた句(フレーズ)”です。詩の入り口であるライトハイクは、これを詩作のヒントとして使わない手はないと考えており、今後、タイトレイル(タイトル・トレイルの略)と名付けたプログラムを、全国図書館、本屋さんで実施したいと考えています。
・・・言わずもがなですが、ライトハイクもタイトレイルも、ダジャレになります(笑)
ただ、関係の遠いものの連結が詩ですから、ダジャレは、一番簡単に詩を作る方法、いえ、もうこれは、詩作における、必殺技です。
この「関係ないものを結ぶ創造力」そして「そこに詩趣を感じる想像力」は、人間ならではです。AIも、そのうち分かるようになるかもしれませんが、そこまで到達するにはまだ時間がかかるでしょう。それには「心」が必要だから。
さて、今回のピックアップ佳句です。
既にみなさん、お気づきだと思いますが、あの有名な漱石のフレーズ(タイトル「吾輩は猫である」)に、同じく漱石の有名なフレーズ(「坊ちゃん」の中に出てくる「親譲りの無鉄砲」)を結んだものになります。
確かに、借りものの言葉を結んだことになりますが、ただ、あのフレーズに結ぶ言葉として、このフレーズを「選んだ」ことは、立派な詩作だと思います。
同じ作者から出てきた言葉ですが、別の作品。別の世界。
けして交わることのない並行世界にあったフレーズ同士が、結ばれたのです。
思わず、おめでとう!と言いいたくなるくらいの、素敵な仲人です。
ところで。
この千秋さんによって結ばれた二行詩(ライトハイク)は、ここに確かに書き留めましたが、本来は、その一瞬限り、すぐにほどけて、消えてしまうものだと思っています。
その儚さも、また詩です。
AIに聞こえないように言います。(これも見つけられてしまうのかな)
AIが、人間の過去の活動・言動履歴をデータとして学ぶのであれば、
渡したくないと思うのも、人情。
大切にしたいものであれば、あるほど。
この「関係の遠いものの連結」は、AIには学ばせたくない。
AIに理解させたくない。
人間のみの、聖域にしたい。
これは、「量子もつれ」だと思っています。
どんなに離れていても、結ばれているもの。
それを探すのが、詩作であり、
人間の、思索だから。


