Pick up 佳句

Pick up 佳句

投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。

 

燃え尽きる銀河  テリー

 

お題の上の句と並べます。

 

蚊取り線香の渦

燃え尽きる銀河

 

たい平師匠からのお題(上の句)を見た時に、最初に頭に浮かんだのが、4月のハイライト賞作品

 

なぜ宇宙は存在するのか

シンクの渦を見つめる夜 

 

です。お題(上の句)は野村泰紀教授(カリフォルニア大バークレー校)で、選も、野村先生ご自身がされました。現役バリバリの理論物理学者さんが選んだ句ということもあり、まさに「宇宙」を捉えたライトハイク(二行詩)だと感じています。

たい平師匠の頭の中にこの「シンクの渦」が残っていたか分かりませんが、今回のお題(上の句)は渦は渦でも「蚊取り線香の渦」です。

上の句は、詩の世界へ入る糸口。呼水。

たい平師匠は、そこに「画像」を置きました。

言葉ですが、「画像」です。

その撮り方が、師匠ならでは。

蚊取り線香を撮るときに、師匠は渦にフォーカスを合わせました。

短い1フレーズですが、【蚊取り線香】と【渦】を結ぶこと自体が、詩作とも言えます。皆がイメージできるもので、特段、目新しさはありませんが、改めて言葉にすると、<線香>と<渦>の融合は、どこか、心をくすぐるものがあります。

さらに付け加えると、この体言止めでのお題(上の句)は少し難易度が高くなります。

単語を出されたのと同じですから。

些細なことですが「〜は」や、野村先生のお題のように「なぜ〜か」と言う、いわゆる「問答形式」のお題(上の句)の出し方は、反射的に言葉が出てきやすいものです。逆に今回は、単語を出されて、これに「つっこめ」と言われているのと同じで、かなり難しい。でも、だからこそ、とても良い詩作の稽古になります。

改めて、上の句を見てみましょう。

まず、フォーカスが合っているのは「渦」

そこから、画面を引いていくと、蚊取り線香だとわかります。

この画面をどう転換していくか。

詩作は、映画作りに似ていますね。

 

テリーさんの下の句を見てみましょう。

燃え尽きる銀河

これも体言止めで、上の句と同じように二つの言葉が結ばれた構造になっています「燃え尽きる」と「銀河」この結び方にも、詩があります。

 

上:「蚊取り線香」と「渦」が結ばれて、そこに「光(詩)」が生まれる。

下:「燃えつきる」と「銀河」が結ばれて、そこに「光(詩)」が生まれる。

そして、この上で生まれた「光(詩)」と、下で生まれた「光(詩)」を結んで、

新たに大きな「光(詩)」が生まれる。

 

これが、ライトハイク(二行詩)の一番美しい結びだと思います。


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