港区立本村小学校(東京)

港区立本村小学校(東京)

2024年11月7日、港区立本村小学校で「ライトハイク教室」を5年生2クラスに実施いたしました。(日本財団助成事業)

今回の「詩の先生(ポエトリー・ティーチャー)」は、落語家の入船亭遊京さん。

これまで同様に、ライトハイクの「三つ編み」を用いて、クラスみんなで四行詩を作ります。

今日のお題(起句)は「夕日がきれいだな

事前の打ち合わせで、先生に出してもらったお題です。シンプルな何でもないフレーズですが、こちらに子供たちが自分の言葉を結ぶことで、キラリと光るものが誕生するのがライトハイクの醍醐味です。

夕日がきれいだな」を(上の句)として、これに結ぶ上の句と同じ文字数【8文字】のフレーズ(下の句)を生徒さんに出してもらいます。

出された句の中より、協会代表と、遊京さんが選んだ2名に前に出てきてもらい、それぞれその言葉を選んだ解説をしてもらいます。そして、自分はどちらが好きか、観ている生徒さんたちの挙手により、1句を選出します。

これが、次のお題(上の句)となります。

これを3回繰り返して(三つ編み)、そのクラスみんなで作る【四行詩】が誕生します。

 

今回の2句目(承句)は衝撃的な句が選ばれました。

 

夕日がきれいだな

佐藤も鳴いている

 

佐藤(ここでは仮名にしておきます)とは、クラスメイトさんのお名前です。

この言葉は、大人では絶対に出てきません。

本当に素晴らしいと思いました。

大人ならば、往々にして

夕日がきれいだな

佐藤が泣いている

となるのです。夕日に向かって泣くのは、よくある月並みなイメージです。

それを、佐藤「も」「鳴」いている、にしたセンス。

この助詞と漢字の選択が、奇跡的に素晴らしいと感じました。

「も」としたことで、鳥の鳴き声と一緒に佐藤くんの声が聞こえてきました。

鳥の鳴き声のマネかもしれません、鳥の声に聞こえただけかもしれません。

いずれにせよ、佐藤くんも鳴いてしまうくらい、素敵な夕日なんだ

というのが理屈ではなく、感覚で伝わってきます。

何度も言いますが、素晴らしいです。

そして最終的に以下の四行詩が生まれました。

 

夕日がきれいだな

佐藤も鳴いている

天まで届くぐらい

願いよ飛んでいけ

2句(承句)で衝撃的な展開となりましたが、そのあとを見事に受けて最終的に綺麗に結ばれています。これが、小学校5年生たちの詩です。

ライトハイク冥利に尽きる瞬間です。

機会をいただいた本村小学校さん、校長先生、ご担当の先生方、そして何より生徒の皆さん、ありがとうございました!


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