投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
幸せ舞い込み神付くよ 斗和
お題の上の句と並べます。
獅子舞に頭をかまれて
幸せ舞い込み神付くよ
太神楽の翁家和助さんらしいお題(上の句)です。
獅子舞、今ではあまり見なくなりましたね。
これまでの人生で、見たことない若い人もいるのではないでしょうか。
「獅子舞に頭を噛まれる」のは、その人の邪気を食べてくれることで、
厄除け、無病息災、つまり、縁起が良いということを知らない人も多くなっているかもしれません。
投句の中でも、獅子舞に頭を噛まれて、思わず反撃してしまうという投句もありました。社会の共通認識というベースがあって、そこから少しズラすから生まれる「笑い」がありますが、今の時代は、それも危うくなってきたような気がします。
つまり、「獅子舞に頭を噛まれて反撃する」というフレーズがあっても、それがむしろ普通に感じる場合があり、逆に、「獅子舞に頭を噛まれてありがたがる」方が、ズレてると感じる場合もあるということです。難しいですね。
さて、今回のピックアップです。
「噛まれて縁起がいい」という正しい認識に則った句ですが、皆さん、お気づきのようにWでダジャレを入れています。
獅子舞 = 幸せ舞
噛み付く = 神付く
ダジャレは、江戸の頃は「地口(じぐち)」と言われ、普段の会話の中で多用されてきました。去年の大河「べらぼう」でも必ず、蔦屋重三郎が口にしていましたね。
私は、このダジャレの文化、本当に素晴らしいと思っています。
それは。
詩への最短距離だから。
最も簡単な詩の作り方と言い換えてもいいです。ダジャレ、つまり「同音異義語」は、詩の宝庫なのです。聞き間違いには、いつも詩がいます。自然に笑いがおこることも。
つまり、全く関係のない世界にいた言葉が、すごい引力で、いきなり結びつけられるのです。
これ、AIにできますか?
人間だからできる、<必殺技>ですよね。
ダジャレは、空耳は、詩の宝庫。
どんな言葉を結んでいいか分からない時は、同音異義語を探してください。
意図しなくても、みなさん、お題が出た時に、最初にやることかもしれません。
それでいいんです。
それがいいんです。
思いもしない世界に飛べますから。


