投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
どうもこんにちわわ あび
お題の上の句と並べます。
愛犬がチワワだよ!
どうもこんにちわわ
最初にこの下の句を見た時、どうして「こんにちワン」でないんだろうと思いました。
この発想こそ、まさに月並み。
句作、詩作にとっての大敵です。
AIだったら、「こんにちワン」にするかもしれません。
でも、人間の感性は、もっともっと、瑞々しい。
正解から言うと(ただし、これはあくまで私の解釈という前提で)
チワワだから、こんにチワワなんですね。
正直言って、ここに気づくのに時間がかかりました。
どれだけ自分が(人間が)固定観念から脱却するのが難しいか。
思い込みがあると、頭の弾力性が失われます。
でも。
こんにチワワに気づかなかったから、思わぬ副産物を得ることもできました。
「どうして、こんにちワンではないのだろう」と考えたのです。
まず、最初に考えたのが、ミスタッチ。
本当は、こんにちわんにしたかったのに、間違えて、「わわ」にしちゃったんじゃないか。
(なんという傲慢な解釈・・・)
もちろん、違います。
次に考えたのは、これは、「わわっ!」って驚いているんじゃないか。
つまり、
チワワの番犬を発見し、思わず、番犬チワワに「こんにちわ」と言って、手を伸ばす。
すると、「ワン!」って吠えられる。番犬だもの。
それで思わず、「こんにちわわ」となったのではないか。
実に、滑稽なくらいの深読みですが、
そんな深読みできる句は、間違いなく佳句なのです。
創作する人の考え。
鑑賞する人の解釈。
十人十色。
正しい答えはありません。
文字の作品というのは(しかもわずか二行)付け入る隙がありすぎて、余白がありすぎて、
自分でそこを埋めなければいけません。
埋めなければいけないというか・・・まあ、決してそんな義務などなく、
正確には、自分で埋めることもできる。
色付け、肉付け。尾鰭や背鰭を付けたり。
でも、それが楽しい。
国語のテストで、コラムが引用されて、そのコラム作者自身は正解を答えられなかったという話を見ました。
何が正解なのか。
たぶん、正解はあっても、正答はないのです。
言葉という、
人にとって感じ方、受け取り方も様々な、揺らぎのあるものを使って書かれたものですから、明確に正しい答えなんて、そもそも、ない。
でも、その、人によってのズレこそが、楽しいのではないでしょうか。
もちろん、答えがないと言っても、法律などでは困っちゃいます。
それはそれ。
あくまで、詩にとって。
もっと言えば、言葉で描くものにとって。
正しい答えはない。
だから、間違いもない。
あなたの言葉を、あなたの思惑を超えて、思わぬ受け取り方をする人がいる。
チワワに手を出して、噛まれそうになった人が出てきたように。
この世界の人が、同じ感じ方、同じ考え方ほど、つまらない世界はありません。
十人十色。
私の好きな言葉です。
そして、
「想像」と「創造」が同音異義語である日本語は、
なんて素敵な言葉でしょうか。


