投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
全くいい案浮かばぬ明日のプレゼ 置楽
お題の上の句と並べます。
うーむ、考えますとは言ったけど
全くいい案浮かばぬ明日のプレゼ
今回はなんと言っても、お題(上の句)が、むむ!って感じです。
西岡德馬さんに、何か、上の句になるようなフレーズをお願いしますと
たい平師匠があらかじめお願いしていて、何か出ましたか?と德馬さんに聞いたところ
「うーむ、考えますとは言ったけど、いいのが浮かばないんですよね・・・」
と答えた德馬さんにすかさず、
たい平師匠「それだ!それでいきましょう!」
德馬さん「?」
たい平師匠「その、うーむ、考えますとは言ったけど。それを使いましょう!」
德馬さん「そんなんでいいの!?」
たい平師匠「いいんです!」
・・・と想像ですが、恐らく95%くらいあっていると思います(笑)
たい平師匠は「どんなフレーズでも、詩になりますから!」・・・くらい德馬さんに言ったかもしれません。そうです。我々は、無茶ぶりされているのです。
ただ、言葉のあやとりの難易度が高ければ高いほど、燃えてくるものです。
いっちょ、見事に結んでやろうじゃないの!ってなりますね。
・・・で、今回の置楽さんの下の句に、嬉しくなっちゃいました。
全くいい案浮かばぬ明日のプレゼ
すでに皆さん、お気づきと思いますが、明らかに最後の「ン」が抜けています。
これは同一言語同士の場合、上下、同じ語数(日本語だと文字数)を合わせるというルールがあるから生まれた、「ン」抜けです。
・・・ただし、本当に抜けているのは「ン」なのでしょうか?
最初にこの下の句を見たときに、素敵だなあと思ったのは、この途中でやめる大胆さだったんですが、あとあと考えた時に、省略されたのは「ン」とは限らないなという思いも出てきました。そうなってくると、深い深い。
全くいい案浮かばぬ
明日のプレゼンター
かもしれませんね。
「明日のプレゼンター」・・・なんか、いいですよね。
言葉が、言葉を、呼ぶ。
まるで、自分の言葉ではないみたいに。
言葉の海・・・どころか、言葉の宇宙から、
すごい引力で、すごい速度で飛んでくる言葉。
この世界を織り上げている、大いなる言葉のもつれを感じた佳句でした。