投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
突然のありがとう さささん
お題の上の句と並べます。
バッカじゃないの
突然のありがとう
今月のお題は俳優の浅利陽介さんから。俳優さんから初めていただいたお題(上の句)になります。俳優の「俳」は俳句の俳と同じであり、ライトハイク協会が掲げている大事な言葉でもあります。今、「俳」という文字を使うのは、俳優さんと俳句だけではないでしょうか。ですから、俳優さんにお題をいただいたことは、とても光栄です。
「俳優」さんという字は、「わざおぎ」という言葉に当てられた文字です。「わざおぎ」とは、面白おかしい歌や舞いをして、神や人を楽しませることを意味します。その面白おかしい(滑稽)というところで「俳」の字が当てられたのでしょう。このことからも「俳」には、詩の神様を招き寄せる力があるのです。
「俳」の心で言葉を結べば、詩になります。
さて、今回の佳句です。
さささんさんの下の句「突然のありがとう」詩って、面白いなって思うのです。
浅利陽介さんからいただいた
バッカじゃないの
これは、詩ではありません。同じように、ささささんの言葉
突然のありがとう
も詩ではありません。なんでもないフレーズです。
なのに、これを結ぶと・・・詩が生まれる。
バッカじゃないの
突然のありがとう
この二行を見た時、みなさん、何か心にほっこりするものを感じませんでしたか?
それが詩です。詩が生まれたのです。
・・・そして、自分のことじゃないのに、なんだか照れる気持ちになりますよね。
人の心を少しでも動かしたら、それは詩です。
「共感」は、人の心を動かす、大きなポイントです。
さて、話は変わりますが、このPick up 佳句
私は本当に良い句だと思って紹介させていただくのですが、たい平師匠が選ぶ、最優秀句に選ばれたことがこれまでありません。句が詩が、十人十色であるように、選ぶ人の感性も十人十色。でも、それが詩には、本当に大事なことだと思っています。
詩に正解はありません。と言うことは、間違いもありません。
「自由詩」という言葉には、そういう意味も含んでいる気がします。