ペディキュアの色は青 歌舞伎揚さんの娘さん
投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
布団からはみ出した足
ペディキュアの色は青
ライトハイクに限らず、たくさんの詩をみていると、子供の詩こそ本物の詩だと思うことがたくさんあります。子供はこの世界の常識・知識を十分に取得していない分、偏見に邪魔されない、本当に純粋な感性で言葉を紡ぐことができます。
この詩は本当に素晴らしい。
一之輔師匠から出された「布団からはみ出した足」というお題は、それ自体がどこか滑稽で、だらしない感じをイメージします。そこに、ペディキュア、しかも青を出してきたことで、滑稽とは真逆な、急展開が起こります。枝雀師匠が唱えた笑いのメカニズムである「緊張と緩和」に似ています。
ライトハイクは、上下の二行詩で、パラレル・ユニヴァース、いわゆる並行する世界をひとつにして、そこに詩が生まれる詩型です。上の世界と下の世界のギャップがあり、尚且つ、それが、和をもってひとつになった時、素晴らしい詩が誕生します。