愛もなくなる 雪帽子
投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
お題の上の句と並べます。
三年経ったら
愛もなくなる
お題が6文字ということもあり、結べる言葉も6文字。
短くなると難しくなるのが詩の面白さでもあります。
「三年経ったら」というお題は、まさに大喜利的であり、
回答（下の句）にはとても自由があります。
たくさんの人が、これを大喜利のお題として回答した時に
・単純に面白い回答（下の句）
が出てきます。
笑点でも、木久扇師匠などが得意としそうですね。
そして、その単純に面白い回答の中に、
「おや？単純じゃないぞ？？」というものが紛れている時があります。
それが、詩である可能性が高いのです。
砂金のように、たくさん言葉が集まれば集まるほど、
その中に詩が紛れている可能性が高まると思っています。
ですから当協会は、なるべくたくさんの人に回答（下の句）を出してほしいと願っています。
さて、この下の句である「愛もなくなる」
これ、おや？って思ったところがあるんです。
「も」です。
この6文字という限られた中で、この1文字「も」が効いています。
「が」とか「は」ではなく「も」
愛もなくなる
これは、いわゆる愛想も尽きる。の「も」だと思われますが
その愛想も尽きるの「も」自体、とても深いのです。
「も」が、愛を、特別なものにしている。
「さえも」の「も」なんですよね。
つまり、
色々なくなっていって、最後の最後に残ったのが「愛」なんだと。
この「も」で、そこまで思いが及びます。
そして、
最後の最後に残っていたその「愛」も、なくなる・・・。