2025年2月6日、港区立本村小学校で「ライトハイク教室」2回目を1月に続いて、4年生2クラスに実施いたしました。(日本財団助成事業)
前回の授業時に「社会科見学で浅草に行く」と伺っていたので、
「浅草で見つけた面白いと思った言葉を採集してきてください」と、皆さんにミッションを与えていました。その伏線回収の日です。
まずは、それぞれ、いくつか採集してきた言葉の中でひとつ選んで、一枚の紙に書いてもらいます。それを全員分、黒板に掲示します。以下の言葉が集まりました。
ねずみこぞう
いちごあめ
今と昔のさかい目
なぞの通路
・・・などなど。もっとたくさんありましたが一部です。これらの中から、みんながお題(上の句)にしたい、つまりは「下の句を結びたい」と思った言葉を、皆の総意で選びます。2クラスで、計6題のお題(上の句)が選ばれました。選ばれたお題の一部が以下です。
バナナのこいびと
人力車とねずみこぞう
お題(上の句)「バナナのこいびと」(おそらく、お菓子の名前・・・)に皆で、下の句を結んでもらいました。ルールはお題と同じ「8文字」であること。それだけです。先生と協会代表で以下の作品などを選びました。選ばれた人は、前に出てその言葉を結んだわけを話してもらいます。
バナナのこいびと
八百屋のだいこん
バナナのこいびと
いったいだれだ?
「八百屋のだいこん」がとても気になって選んだのですが、作者の解説が秀逸でした。「バナナが、まっすぐな大根に憧れている」ということなんです!!これは、お題をそのまま素直に、「バナナに恋人がいたら、それは誰だろう?」(まさに、他の生徒さんが結んだ「いったいだれだ?」)と受け取り、さらに一歩、進めた形です。その純粋さは詩の結晶です。
もうひとつのお題(上の句)「人力車とねずみこぞう」では
人力車とねずみこぞう
見たのはペンギンだ!
人力車とねずみこぞう
けいさつかんが運転手
などが選ばれました。
人力車の引き手が警察官だったら、鼠小僧もびっくりですね!落語のような世界です。びっくりしたのが「見たのはペンギンだ!」唐突にペンギン・・・。聞いたところ、本当に見えたそうです。ペンギンが。そうなんです。小学校4年生には、まだまだ見えるんです。毎回思いますが、この詩の授業。教えるのではなくて、教わっています。本当に楽しいです。
最後に今回は時間がなくて、完全にはお話しできなかったのですが、やりたかったことがあったのです。それは、詩のテレポーテーションのこと。
「バナナのだいこん」と「人力車とねずみこぞう」は、別々のお題で、そこにそれぞれ結ばれてできた二行詩も、独立してできたものです。
ところが!
バナナのこいびと
いったいだれだ?
人力車とねずみこぞう
見たのはペンギンだ!
この二つの二行詩は、どことなく結ばれているように感じます。それはどちらも「同じ浅草にあった言葉」で作られた二行詩だからかもしれません。ゆるく結ばれていたのです。そして、もう少し、結びつきを強めるために、詩のテレポーテーションをします。
その方法は、「いったいだれだ?」と「人力車とねずみこぞう」を結ぶ言葉を持ってくること。
例えば、以下です。(これは時間がなくて授業でできなくて、ごめんなさい!)
バナナのこいびと
いったいだれだ?
駆け抜けていった
人力車とねずみこぞう
見たのはペンギンだ!
あくまで一例なので、もっと良い言葉があるのは間違いありません。詩作というのは、より良い言葉を探す作業です。ただ、ここで伝えたかったのは、最初の二行詩に含まれている「詩」(ポエジー)を、また別の言葉の力を借りて、後の二行詩に送ること。これが詩のテレポーテーションであり、こうやって、詩が作られていくのだと考えています。
ライトハイクは、その名の通り、光の詩です。このテレポーテーションは、光詩(こうし)テレポーテーションと言えるかもしれません。とても不思議なことに、光の原理と詩の原理が似ているとかねてより感じていました。この世界のオリジンは、きっと、一緒なんだと思います。
ライトハイクは詩の最小パーツ。それらをパッチワークのように結んで編んで送って、ひとつの大きな詩が織り上がるのです。
・・・と話が脱線してしまいましたが、こんな難しいことはどうでも良くって、単純に詩を楽しみたい。それが、ライトハイク教室です。
今回も機会をいただいた本村小学校さん、校長先生、ご担当の先生方、生徒の皆さん、ありがとうございました!またね。