2024年12月1日、愛媛県県民文化会館で開催された「子ども伝統文化フェスタ」(県民総合文化祭)の体験プログラムのひとつとして「ライトハイク教室」を実施しました。
今回の「詩の先生(ポエトリー・ティーチャー)」も、落語家の入船亭遊京さん。遊京さんは当地・松山のご出身ということもあり、都内での授業を経て、地方での初授業となります。
当日2回実施した後半の授業では、港区立御成門中学校に出したお題と同じ「月がきれいですね」を起句としたライトハイクの「三つ編み」を用いて、参加者全員で四行詩を作りました。
参加者は当日、フェスタにお越しいただいた方をその場で呼び込んだため、残念ながら子どもたちの参加は少なく、ほぼシニア層での教室となりましたが、その中でも、小学校5年生の男の子が頑張ってくれました!(後ほど活躍をご紹介します)
月がきれいですね
目玉焼き食べたい
まず、起句を受ける承句(第二句)は大人のご婦人の作品「目玉焼き食べたい」が選ばれました。ちなみに御成門中で結ばれた承句は「私のことですか?」でした。中学生と大人の感性の違いでしょうか。今回の目玉焼きは、まさに花より団子で「月より目玉焼き」ストレートですが、そこには確かに、俳味があります。
ここからがすごかったです。。。
小学校5年生(同じ子)が、転句(第三句)、結句(第四句)とも選ばれたのです。大人たちを前にしての無双です。彼が「目玉焼き食べたい」に結んだ句(転句)は
目玉焼き食べたい
塩を取り合う予感
これは大人では出ない。発想が柔軟なんです。彼の経験からかもしれません。彼は最後の2文字を「予感」か「未来」かで悩んでいました。その悩むことが、本当に大事だと思います。悩んで選んだ言葉が「予感」
「塩を取り合う予感」というフレーズ、これまで日本語で使われたことはいくらあるでしょうか。それが、ここで出てきたのです。そして彼は、自分のこの言葉に最後、自ら結び(結句)ました。
塩を取り合う予感
にげていくオバケ
目玉焼きにかける調味料としての塩が、お浄めの塩になっている!
月から始まってオバケで終わるところも、楽しい感じです。
月がきれいですね
目玉焼き食べたい
塩を取り合う予感
にげていくオバケ
こちらを元にした、最後は遊京さんの即興噺の披露で締めます。
遊京さんがサゲに使ったセリフは、「部屋には目玉焼きの匂いがムーンと漂っていました」
今回の機会をいただいた愛媛県文化局文化振興課さん、会場を完璧に作ってくださった南海放送コンサルティング営業部さん、そして何より参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!