投句された中より、きらりと光る佳句を紹介して参ります。
元彼に似た声聞こえ ちまこっぴ
お題の上の句と並べます。
ぴゅーと吹く春風に
元彼に似た声聞こえ
まずは、咲太朗さんのお題から吟味します。
最初にこちらのお題を見た時に真っ先に頭に浮かんだのが「ピューと吹く!ジャガー」というナンセンス漫画。咲太朗さんの頭にあったかどうか分かりませんが、ピューと吹くと聞くと、この漫画を思い出さずにいられません。
ただ、咲太朗さんはピューを平仮名にされています。
実は、これも重要なポイント。
ライトハイクは、文字数揃えのルールだけなので、平仮名・カタカナ・漢字と、表記文字も自由に選べるので、そこに、それを選んだ意味も感じてしまいます。
ピューは、多分、カタカナで書く方が多いでしょうが、それを平仮名にすることの効果もあります。柔らかくなるんですね。
だから、春風にぴったりだと思います。
それぞれ咲太朗さんが意識してか無意識か分かりませんが、どちらにせよ、咲太朗さんには「言葉のセンス」が備わっていることが分かります。
まあ、噺家さんなので、当たり前なのですが。
そして、その柔らかな春風に結んだ、ちまこっぴさんの言葉。
元彼に似た声聞こえ
これはですね・・・「元」がすごくいいですね。本当にいい。
彼に似た声とか、あの人に似た声とか、色々な声がありますが、元カレ。
この「元」1文字に、詩があると言っても過言でないと感じてしまいます。
風には、儚さがあるわけで、そこに元彼の声を聞く。
穏やかな春風の中にある、一抹の切なさ。
素敵な佳句です。


